Yukio Diary -金澤幸緒のブログ

タイタンキャピタル株式会社 金澤幸緒のブログ

不動産投資のお話 - レバレッジについて


金澤幸雄です。

 

不動産投資の世界では、よく「レバレッジを効かせる」や「レバレッジ効果」、「逆レバレッジ」などという言葉をよく目にします。不動産投資用語の基本とも言える言葉ですが、正確な意味合いを理解している投資初心者の方は意外に少ないように感じます。

きょうは、不動産投資におけるレバレッジについてお話ししたいと思います。

 

もともとレバレッジ(leverage)とは「レバー(lever)=てこ」から来る言葉で、レバレッジを直訳すると「てこの作用」「てこの原理」となります。意味としては、小さな力で大きなものを動かすという仕組みということです。不動産投資の視点で見ると、少ない自己資金で投資し、大きな効果を上げるということになりますね。

余談ですが、ほぼ同じ意味の経済用語に「ギアリング(gearing)比率」があります。これは「ギア(gear)=歯車」が語源で、企業の自己資本に対する他人資本(負債)の割合を示す数値をいい、企業における財務の安全性を測る指標の一つです。

 

「少ない自己資金で多くの収益を得る」というレバレッジ効果ですが、具体的にどういった仕組みなのかというと、自己資金(自身の投資予算)に銀行からの融資をプラスすることで、見た目の利回り以上の収益を得ることができるというものです。高額なために予算的に厳しい物件を、銀行から融資を受けたうえで手に入れ、当初の自己資金、見た目の利回り以上の収益を得ることが可能になります。

 

例えば、1000万円の自己資金があり、1000万円で利回り10%の物件を購入したとします。その際の収入は年100万円となります。

しかし、1000万円を頭金として銀行から金利4%で融資を受け、5000万円で同じく利回り10%の物件を購入するとします。そうすると、利息は4000×0.04=160万円かかりますが、年間収入は500万円なので、差し引き340万円の収益増となります。

見た目の利回りはどちらも10%にもかかわらず、1000万円の自己資金で1000万円の物件を運用した場合と比較して収益は4倍です。

これが、少ない自己資金で多くの収益を得るというレバレッジ効果の仕組みです。

 

このように、自己資金だけよりも積極的に投資効率を上げていく手段として、レバレッジ効果はとても有効です。しかし、なんらかの理由で投資利回りの低下や金利の上昇があったり、投資利回りが借入金利を下回ったりすると「逆レバレッジ」という現象が起こります。

 

例えば、先ほどの設定で、利回りが8%に下がり、金利が変動して8%に上昇したとします。すると年間収入は400万円、利息が4000×0.08=320万円となり、収益は80万円にまで下がってしまうため、融資を受けず1000万円の物件を運用していた場合に比べて20万円の収入源となってしまうのです。

 

いずれにしても、いくら借入れるかや、市場や金利の動向には何よりも注意を払うことが重要です。

 

金澤幸雄

 

Photo by Unsplash Breno Assis