Yukio Diary -金澤幸緒のブログ

タイタンキャピタル株式会社 金澤幸緒のブログ

ワインのお話 -「ファーストラベル」

 

タイタンキャピタルの金澤幸雄です。

 

フランス・ボルドー左岸の5大シャトーそれぞれの代表的なワイン(シャトー・ラフィット・ロートシルト、シャトー・ムートン・ロートシルトシャトー・ラトゥールシャトー・マルゴー、シャトー・オー・ブリオン)は「ファーストラベル」と呼ばれ、そのシャトーで造られる代表作であり、味わいや価格において最高峰に位置するワインです。

 

5大シャトーのファーストラベルのワインは、その名前は知っていても当然ながら非常に高額なため、日常的に楽しめる人はなかなかいないと思います。しかしこれらのシャトーでは「セカンドラベル」「サードラベル」と呼ばれる、比較的手に届きやすい価格帯のワインを造っていることが多く、ファーストラベルよりは気軽に超高級ワインの造り手の理念やスタイルなどに触れることができます。

 

セカンドラベルとは、ひとことで言うとファーストラベルで使用されないブドウで造られたワインのことです。例えばファーストラベルの畑とは別のブドウであるとか、同じ畑でも樹齢の若い木から採れたブドウであるなど、シャトーによってさまざまですがファーストラベルとは明確な基準による違いがあります。また、セカンドラベルよりも価格帯をさらに抑え、日常に取り入れやすいサードラベルのワインを造っているシャトーもあります

 

◎カリュアド・ド・ラフィット・ロートシルト(Carruades de Lafite Rothschild)

シャトー・ラフィット・ロートシルトのセカンドラベル。

ファーストラベルと同じ畑の樹齢の若い木から採れたブドウで造られています。

この畑から採れるすべてのブドウの3分の1がファーストラベルになり、残りがセカンドラベルとなります。

サードラベルはありません。

 

◎ル・プティ・ムートン・ド・ムートン・ロートシルト(Le Petit Mouton de Mouton Rothschild)

シャトー・ムートン・ロートシルトのセカンドラベル。

こちらもファーストラベルと同じ畑の若木を厳選してファーストと同様に作られ、ヴィンテージによってはファーストよりも手に入りにくいとも言われています。

サードラベルはありません。

 

◎レ・フォール・ド・ラトゥール(Les Forts de Latour)

シャトー・ラトゥールのセカンドラベル。

シャトー・ラトゥールは、ファーストをランクロ(L’Enclos)と呼ばれる特別な区画のブドウで造ります。セカンドラベルはこのランクロに植えられた若木のブドウから収穫されたブドウと、ランクロ以外の区画から収穫されたブドウから造られます。

サードラベルはポイヤック・ド・ラトゥール(Pauillac de Latour)で、だいたい1万円台で購入でき、気軽に格付け第一級の雰囲気を味わえます。

 

◎パヴィヨン・ルージュ・デュ・シャトー・マルゴー(Pavillon Rouge du Chateau Margaux)

シャトー・マルゴーのセカンドラベル。

ファーストが新樽率100%であるのに対し、セカンドであるパヴィヨン・ルージュは新樽率50%、熟成期間はファーストより3、4ヵ月短く造られています。

マルゴーにはマルゴー・デュ・シャトー・マルゴー(Margaux du Chateau Margaux)というサードラベルがありますが、これは、パヴィヨン・ルージュの質を向上させるために造られたものです。

 

◎ル・クレランス・ド・オー・ブリオン(Le Clarence de Haut Brion)

シャトー・オー・ブリオンのセカンドラベル。

ファーストラベルと同じ畑の若木から獲れたブドウで造られています。ファーストとの違いは樹齢だけで、土壌や品質管理については全てファーストと同様に造られています。

クラレンドル(Clarendelle)は、シャトー・オー・ブリオンを所有するクラレンス・ディロン・ワインズのブランドで、シャトー・オー・ブリオンの血統でありサードラベル的な位置付けのワインで。こちらは数千円で手に入ります。

 

金澤幸雄
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