Yukio Diary -金澤幸緒のブログ

タイタンキャピタル株式会社 金澤幸緒のブログ

ワインのお話 -フィールドブレンド

金澤幸雄です。

 

皆さんはワインを選ぶとき、何を基準に選ぶでしょうか。

 

合わせる料理や誰と楽しむか、飲むシーン(誕生日など)、赤・白・ロゼ・スパークリングなどの種類、カベルネ・ソーヴィニヨンピノ・ノワールなどブドウの品種、旧世界(フランス、イタリア、スペインなど)・新世界(日本、アメリカ、オーストラリアなど)といった産地・・・。

その時々によってさまざまですが、中でもブドウの品種は「今日の1本」を選ぶときに大きな基準となることが多いように思います

 

実際、いま世の中に流通している多くのワインは、赤ならカベルネ・ソーヴィニヨンピノ・ノワール、白ならシャルドネソーヴィニヨン・ブランなど、単一の品種から造られており、ボトルのエチケットにも目立つところに品種名が書かれているものがほとんどです。

しかし最近では、同じ畑で収穫された様々なブドウの品種を混ぜて醸造した「フィールドブレンド」と呼ばれるワインが注目を集めているのです。

 

フィールドブレンド(ワイン)とは、ある範囲内の土地で収穫された異なる品種のブドウを品種ごとに分けず一緒に収穫し、混ぜて発酵(=混醸)させたワインのことを指します。

お気づきの方も多いと思いますが、フィールドブレンドとはこの「ある範囲内の土地で収穫された異なる品種」という点が最大のポイントです。

 

ご存じのとおり、複数のブドウの品種をブレンドしたワインを造るときは、ブドウの品種ごとに収穫し、別々に発酵させてワインにしたのち、味わいのバランスを見ながらワインをブレンドするのがセオリーです。

しかし実は、かつて昔のヨーロッパの庶民たちが飲んでいたのは、家の畑や親戚の畑などでできた、品種も特にわかっていないようなブドウを使ってつくるワインでした。

それが洗練され、現代のような品種ごとのワインへと変わっていくことになります。つまり、フィールドブレンドとは古来のワインの製法を現代に復刻させたものなのです。

 

昔ながらの混植・混醸を取り入れながらも、現代ワインならではの経験、技術をうまく取り入れ、単一のブドウ品種から造られたワインにはないフィールドブレンドならではの複雑な味わいを引き出していく。

そんなフィールドブレンドに挑戦する作り手の皆さんには本当に頭が下がります。ブドウの品種の個性より、その土地の持つ個性、テロワールに光を当てた「古くて新しい」作り方ともいえるでしょう。

 

金澤幸雄

 

Photo by Maksym Kaharlytskyi on Unsplash