Yukio Diary -金澤幸緒のブログ

タイタンキャピタル株式会社 金澤幸緒のブログ

チャリティーのお話 -Pay it Forward

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金澤幸緒です。

 

今から20年ほど前に、映画「ペイ・フォワード 可能の王国」という映画が日本で公開され、このとき「ペイ・フォワード(Pay it Forward)」という言葉を知りました。

 

直訳すると「先に支払う」となりますが、自分以外の誰かのために良いことをする、という意味だと捉えています。

 

この映画の冒頭、ケビン・スペイシーが演じる中学校教師が、生徒たちにこんな課題を出します。

 

「Think of an idea to change our world-and put it into Action.(私たちの世界を変え、それを実行に移すアイデアを考えよう。)」

 

それを聞いたある生徒が、人から善意を受けたあと、その善意をくれた人とは別の3人に良い行いをするという「ペイ・フォワード」を思いつき、紆余曲折がありながらも少しずつ「善意の連鎖」が広がっていく・・・という物語です。

 

実は、この映画は公開当初、大ヒットを記録したというわけではなかったのだそうです。

ケビン・スペイシーハーレイ・ジョエル・オスメントなどの人気役者とすばらしい原作、脚本を揃えたにもかかわらず、興行収入は16億円とふるいませんでした。

 

しかしこの映画が今、ふたたび注目されているといいます。

 

2020年初頭から日本でも拡大を続けている新型コロナウイルス感染症は現在も世界中に大きな混乱を与え、日本でも各地で自粛が要請されている中、「こんな時だからこそ、他者を思いやる気持ちを」と「ペイ・フォワード」の考え方が広まっているというのです。

 

会社を経営したり商売をしている人は、売り上げの一部を日々コロナと戦っている医療団体に寄付する。政府はコロナの影響を受けている事業者を支援するサイトを立ち上げる。仕事のある人はコロナ禍で仕事をなくした人や経済的に困窮している人へ募金をする。

 

方法はさまざまですが、こんなに厳しい状況の中でも「リターン(見返り)」を求めず助け合う人々の心の温かさを知り、胸が熱くなりました。私にも何かできることを、と、個人的に支援を続けています。

 

仲間や家族、あるいは見ず知らずの誰かから受けた恩を、他の誰かに送る。

そんな「恩送り」の精神が少しずつ広がって、やがて世界をつなぐことになったとしたら、このコロナ禍で不安な状況も悪いことばかりではないのかもしれない。

ペイ・フォワード」は、そんなことを考えさせてくれました。

金澤幸緒

 Photo by Jo Szczepanska on Unsplash